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小田急線祖師ヶ谷大蔵駅前の矯正歯科専門医院です

Tel: 03-5429-0206 / E-mail: takahashikyousei@gmail.com

〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-5(駅より徒歩1分)

標準予防策についてStandard precautions

1. 感染対策指針

標準予防策1
一般事項
当院では、唾液、血液を含む、体液に関わる全ての湿性物質を感染性のものとみなし、標準予防策(Standard Precoution)を実施しています。ご本人が自覚していない場合、あるいは感染力があっても症状として現れていない潜伏期間の場合も含め、非特異的に感染対策を行うことで疾病の伝播を防止することが必要です。以下に具体的な方策を示します。(参考文献:歯科における院内感染対策ガイドライン、国公立大学附属病院感染対策協議会・歯科医療部会、2013.)

1.受診者全員に対し標準予防策を実施する。
2.手指消毒後に治療器具を準備しグローブを着用する。治療中に追加の器具が必要な場合は介護者が行う、術者がグローブを外し手指消毒後に行う。
3.文書記入やPC入力時にはグローブを外し手指消毒後に行う。
4.各種測定記録などの記載は介護者が行うか、術者がグローブを外し手指消毒後に行う。
5.口腔内の細菌・ウイルスを減少させるため、受診者に含嗽を依頼する。
6.治療用器具・器材に対し、適切な滅菌・消毒・洗浄を行う。
7.診療用ユニットの給水系のフラッシングを行い、清浄な水が供給できるように整備する。
8.口腔内の調整時および、装置を口腔外で調整する際にグローブを着用する。ワイヤーや鋭利な器具によるグローブの破損、手指の外傷の回避に留意する。一度装着された装置は汚染物として認識し、調整の際には口腔外バキュームを使用して削片飛散を防止する。非観血的治療であっても唾液には細菌・ウイルスが存在するため、唾液を感染媒体としないよう、器具や手指の操作に注意する。

標準予防策2
口腔内状態による感染予防策
1.歯周病のコントロールは感染リスクを低減させる。歯肉炎による出血がある場合には非観血的治療においても感染リスクを高めるので、口腔衛生状態の改善を図る必要がある。
2.易感染性、易出血性、妊娠、思春期、高齢者、その他において、患者の全身的な条件で感染予防対策な必要な場合は個別の対策を行なう。
3.針刺し、切創、体液曝露等のアクシデントが生じないように日頃から留意する。B型肝炎ウイルス(HBV)の抗体価を把握し必要に応じてワクチン接種を行う。注射針や金属線を取り扱う際にはグローブを着用し、使用後の廃棄物はシャープスコンテナーに入れる。使用済み注射針のリキャップは行わない。血液や体液の飛散の可能性がある際にはフェイスシールドを着用する。アクシデント発生時には直ちに流水で受傷部位を洗浄し、受傷者および患者(要同意)の感染症検査を実施する。

標準予防策3
器具・器材の滅菌・消毒・洗浄
1.クリティカル器具(外科処置用器材、歯科矯正用アンカースクリュー、バー・ポイント類など):
観血的治療またはそれに準ずる治療に使用する器具・器材、すなわち皮膚または粘膜を通過して体組織内に到達するもの、または組織に刺入されるものは滅菌する。
2.セミクリティカル器具(プライヤー類、口角鉤、ミラー、メジャースケールなど):
口腔内で使用し唾液に触れる器具類および非観血的治療に使用する器具・器材、すなわち傷のない正常な粘膜に接するが体組織内に接触しないもの、または組織に刺入されないものは消毒する。
3.ノンクリティカル器具(ワックススパチュラなど):
口腔外で使用する器具・器材で患者の口腔内に直接あるいは間接的に触れることのないもの、および正常な皮膚のみに接するものは洗浄し、必要に応じて消毒する。
4.ディスポーザブル製品(スリーウエイシリンジチップ、メスなど):
ディスポーザブル製品が利用できる器具・器材(特に観血的処置に用いる器具)を可能な限り積極的に利用する。
5.治療に使用した器具・器材は、速やかに安全な場所に移動し、各種器具・器材毎に使用目的にとって適切なレベルの処理を行う。

標準予防策4
大型器械に対する感染予防策
1.口腔内外の組織と直接接触する着脱可能なチップ部および術者が把持する部分(把持部)は滅菌する。
2.器械本体は消毒薬を用いて表面を清拭、乾燥させる。使用時に汚染が予想される場合には、装置本体および本体から把持部までのホース部やコード部などをラッピングし、患者毎に交換する。
3.大型器械類は間接的接触による交叉感染の媒体となりうるので、適切な感染予防対策を施す必要がある。

標準予防策5
治療室・歯科用ユニットの感染予防策
1.診療用ユニットは個室またはパーティションで隔離されていることが望ましい。診療室の構造上難しい場合には、アルコール製剤などで清拭可能なロールカーテンの使用などでユニット間を仕切る。
2.口腔外バキュームの使用と口腔内バキュームの適切な操作により、エアタービンや超音波スケーラー使用時に生じるエアロゾルを吸引するとともに十分な換気を行い室内への飛散を防止する。空調設備のメインテナンスを定期的に行なう。
3.ライトの把持部、テーブル、スイッチ、ヘッドレスト、排唾管などの手で触れる部位は、ラッピングまたは消毒薬による清拭を行う。タービン、エンジンの操作部はディスポーザブルカバーを施し、患者毎に交換するとともに消毒薬で清拭する。
4.スピットンは十分に水を流した後、消毒薬(アルコール製剤、次亜塩素酸系消毒液など)にて清拭する。バキュームはチップを外す前に水を十分に吸引し管内を洗浄する。
5.診療用ユニット、チェアーは、診療後、消毒薬で清拭する。
6.診療用ユニットの給水系のフラッシングを行い、清浄な水が供給できるように整備する。特に休診日明けには念入りにフラッシングを行う。

標準予防策6
タービン、エンジン、スリーウエイシリンジなどの滅菌
1.ハンドピース類(タービン、コントラ、ストレート、エアスケーラー、超音波スケーラー等)は、回転停止時のサックバックを防ぐための逆流防止機能を備えたものを使用し、患者毎に交換し、滅菌する。
2.ハンドピース類を使用して口腔外で切削作業を行う場合は、ゴーグルを装着し、口腔外バキュームを使用する。
3.スリーウエイシリンジチップを含めた本体カバー部は患者毎に交換し、滅菌するかディスポーザブル製品を用いる。
4.湿性物質による汚染の可能性がある際には、ハンドピース類の接合部、スリーウエイシリンジの本体カバー部、コード部(ホース部)およびハンガー部にラッピングを施す。

標準予防策7
口腔内写真撮影機材の消毒・滅菌
1.口腔内写真撮影器材のケースは診療用ユニットおよび診療用キャビネット上に置かない。
2.口腔内写真撮影用カメラは清潔な手指で扱い、床に置かない。
2.口角鉤、写真撮影用ミラーは使用後、洗浄・消毒する。使用用途によっては滅菌する。

標準予防策8
エックス線撮影時の感染予防策
1.口腔内デジタルセンサーまたは銀塩フィルムの使用時に、術者はマスクの装着、手洗い、グローブの着用を行う。一人での操作時には、ドアノブ、コントロールパネル、スイッチ、照射筒、アーム等、術者が触れる部分にディスポーザブルカバーを施し、患者毎に交換するとともに消毒薬で清拭する。二人体制の場合には、口腔内に触れた者は、ドアノブ、コントロールパネル、スイッチに触れないようにする。口腔内デジタルセンサーはディスポーザブルカバーで覆い、撮影後はグローブおよびディスポーザブルカバーを患者毎に交換し、使用後のグローブおよびディスポーザブルカバーは廃棄する。
2.パノラマエックス線撮影や規格撮影(頭部エックス線規格撮影、顎関節規格撮影等)などの口外法エックス線写真撮影の場合には、患者が握る固定棒、頭部固定用のチンレスト、患者の外耳道に挿入する頭部固定用のイヤーロッドなどは、ディスポーザブルカバーを施し、患者毎に交換して消毒薬により清拭する。
3.キーボード、マウス、タッチパネル操作を行う際にも、同等の感染予防策を行う。

標準予防策9
印象物、咬合採得物、技工物、石膏模型に対する感染予防策
1.採得した印象物は流水下で水洗し(アルジネート2分以上、シリコン30秒以上)、次亜塩素酸系消毒液に15〜30分間浸漬する。咬合採得物、口腔内に一度装着した技工物は、印象物と同様の方法にて水洗、消毒する。
2.必要に応じて、硬化後の石膏模型をオーブン(120°C、10分)で加熱消毒する。
3.印象物及び石膏模型を取り扱う際は、マスク、グローブ、ゴーグル、作業着(エプロン)を着用する。
4.印象物、咬合採得物、技工物、石膏模型を介して、歯科技工士その他の従事者に感染が生じないように予防策を厳守する。


2. 医療安全管理指針

安全管理指針1
診療開始時の注意事項
1.患者とカルテの一致を確認する。
2.体調を尋ね、必要に応じて検温する。
3.診療を開始するにあたり、患者または家族が理解できるような説明を行い、同意を得る。
4.守秘義務を徹底する。
5.患者が快適で、術者が治療しやすいデンタルチェアーのポジションをとる。
6.幼児や精神発達遅延児の場合には無理をせず、必要に応じて家族や第三者に協力を求める。


安全管理指針2
事故防止対策
1.設備(コンプレッサーの圧力、タービンの水質等)、歯科治療器具(タービン・エンジンを含む診療ユニット、レーザー、超音波スケーラー等)、モデルトリマー、ME機器等の点検・整備を定期的に行い、購入時期、実施状況、使用状況、修理状況を記録し、機器毎に管理する。メーカーによる点検は毎年、使用者による点検は、始業時および毎月行う。
2.転倒、転落事故の防止のため、院内の床は滑りにくく清潔な状態を保ち、水、レジンの粉などがこぼれたら速やかに清掃する。動線に障害物を置かない。診療ユニット作動時には、患者の状態、体位、周囲の障害物の有無を確認する。電気メス使用時には必ず接地する。
3.モバイルカート、移動式口腔外バキューム等の転倒事故防止に努める。
4.器材・危険物等は小児の手の届かないところに置く。

安全管理指針3
具体的事例
1.異物の誤飲・誤嚥事故:
現在の診療が主として水平位で行われることが、誤飲・誤嚥を起こしやすい要因の一つとして挙げられる。舌根部、口狭部にものが落下した際に、患者が反射的に閉口したり、起き上がろうとして誤飲・誤嚥が起こる場合がある。嘔吐反射により、患者が急に頭を挙上させたり体を起き上がらせたりした場合、術者が器具から手を離してしまうと、口腔内に置き去りにされたものが、嘔吐反射に続く強い吸気により気道内に吸引されやすい。小児や精神発達遅延児では予測しにくい動きが突如現れることがあるので注意する。治療中に唾液や水をを口腔内に貯留しておくことが難しい場合には誤嚥が生じやすい。留意点としては、患者の頭位に注意し中途半端な仰臥位をとらない、舌上にガーゼを置く、防湿により手指や器械が唾液で濡れることを防ぐ、唾液を咽頭部に溜めない、口狭咽頭部に落ちた時にはすぐさま患者の頭部を横に向ける、などがある。誤飲・誤嚥が発生した場合、異物の存在部位が呼吸器系か消化管系かを確認する。異物がX線透過性の場合もあるので、X線撮影依頼時には、異物の種類、事故時の状況などの情報も伝える。気管、肺、食道に停滞した場合は、呼吸器内科、耳鼻咽喉科などに対診を求める。異物が消化管内にあり排泄が期待できる場合には経過観察を行い排出を確認する。気道閉鎖が生じている場合には異物除去を最優先とし、顔を横に向けて寝かせ、指交叉法により強制的に開口し、利き手の指を頬内面に沿った舌根部まで深く挿入して掻き出すか、舌根部を圧迫し嘔吐反射を起こして吐出させる。口腔内バキュームによる吸引、ハイムリック法、背部叩打法などを試み、奏功しない際には輪状甲状靭帯穿刺や気管切開により気道を確保する。心肺停止時には救急蘇生を行う。救急体制の整備をあらかじめ整えておく。
2.化学的損傷事故:
エッチング剤は粘膜・皮膚刺激性の酸を含んでいるので、口腔軟組織や皮膚に付着した場合は速やかに水洗し、目に付着した場合はすぐに多量の水で洗浄する。プライマーボンディング剤は蛋白凝固作用があるため、口腔軟組織に多量に付着した場合はアルコール綿球で拭き取り水洗する。皮膚に付着した場合は速やかに石鹸をつけて大量の水で水洗する。目に付着した場合はすぐに多量の水で洗浄する。常温重合レジンの液(メタクリル酸モノマー)は組織障害性があるため、蒸気の吸入を避け、皮膚に付着した場合は速やかに石鹸をつけて大量の水で水洗し、目に付着した場合はすぐに多量の水で洗浄する。重合したレジンは装着するまで水中に保存し残留モノマーを溶出させる。接着性レジンのキャタリストを乾燥した脱脂綿でふき取ったまま放置すると発火の恐れがあるため必ず湿らせた脱脂綿を使用する。仮着用セメントの液および練和物が口腔軟組織や皮膚に付着した場合、直ちに濡れた脱脂綿等で拭き取るか、硬化後に剥離してから水洗する。グラスアイオノマーセメントの練和物およびデンティンコンディショナーが口腔軟組織や皮膚に付着した場合、直ちにアルコール綿等で拭き取り水洗する。シリコン印象材はアレルギー反応が生じることがあり、アドヒージブおよびキャタリストは軟組織や皮膚に対する刺激性があるため、皮膚に付着した場合には紙などで拭き取り石鹸でよく洗浄する。アドヒージブは適切な換気下で使用し、蒸気を吸引して不快感が現れた時には新鮮な空気のある所で安静にする。印象採得後はオキシフルや水で口腔内をよく洗浄する。化学的損傷事故が生じた際には医師の診察を受けることが望ましい。
3.機械的損傷事故:
鋭利な器具を使用する歯科治療は、歯周組織、口腔粘膜等の損傷が生じる危険がある。口腔内で器具を使用する際には支点を求めて操作し、タービンやエンジンの使用時には、ミラー、バキューム、手指等により軟組織を保護する。損傷事故が生じた場合でも基本操作を守っていれば軽度で済む可能性が高くなる。矯正歯科治療で用いるプライヤーやワイヤーの先端で軟組織を損傷しないように注意する。バンドプッシャーを用いる際にはフリーハンドではなく臨在歯に支持を求める。結紮線の断端で皮膚や目を損傷することの無いように注意する。軽度の熱損傷に対しては刺激性の少ない含嗽剤による洗口で十分であることが多い。器械的損傷においては程度が軽微な場合には圧迫止血を行い、止血の確認後、抗生剤の軟膏を塗布し、経過観察することで十分な場合が多い。圧迫止血のみでは不十分な損傷の場合には縫合等の処置を行う。歯科治療中の機械的損傷は基本的に歯垢に汚染された器具による感染創であると考え抗生物質の使用等の感染防御が必要である。


3. 倫理指針

倫理指針1
医療活動
キーワード:
・インフォームド・コンセント(患者への説明と同意)
・診療録の記載と保存
・個人情報の保護



1.患者に対する責務と基本姿勢
・医療活動に従事する場合には、患者および家族の人格、人権、尊厳を尊重し、患者の健康・福祉の維持増進のために、信義に従い誠実、公正に職務を遂行する。
・患者もしくは保護者に対して症状、病状、考えられる原因、予想される今後の推移、および検査・治療の内容や方法等について、患者、保護者が理解できるように易しく説明する(患者への説明と同意、インフォームド・コンセント)。
・治療に対する患者もしくは保護者の自己決定権を尊重する。
・歯科診療(治療)を行う場合には、患者もしくは保護者の自由意志による同意を得なければならない。同意を得るに先立ち、患者に対して検査、治療、処置の目的、内容、実施した場合及びしない場合の危険・得失、代替の方法の有無・内容とその得失、治療にかかる費用、期間などを十分に説明し、それを理解し判断するのに必要な時間を十分に与えた上で同意を得る。なお、説明内容にも言及した同意書を作成することが望ましい。
・患者を診療した場合には、その内容を具体的に記載した診療録を作成し、法令に定められた期間および管理者のもとにそれを保存しなければならない(診療録の記載と保存)。
・職業上知り得た患者情報を正当な理由なく外部に漏らしてはならず、個人情報を適切に管理しなければならない(個人情報の保護)。
・患者本人から診療情報の提供・診療録の開示を求められた場合には、原則応じるべきである。ただし、診療情報の提供・診療録の開示が、第三者の利益を害する恐れがあるとき、患者本人の心身の状況を著しく損なう恐れがあるとき、不適当とする相当な事由があるとき、などはその限りではない(診療情報、診療録の開示)。


4. ホームページガイドライン

安全管理指針3
具体的事例
1.異物の誤飲・誤嚥事故:
現在の診療が主として水平位で行われることが、誤飲・誤嚥を起こしやすい要因の一つとして挙げられる。舌根部、口狭部にものが落下した際に、患者が反射的に閉口したり、起き上がろうとして誤飲・誤嚥が起こる場合がある。嘔歯肉、唇や舌などの筋肉は、元の状態を憶えています。一度歯並びが直っても油断すると歯は元の方向に戻ろうとしますので、ほとんどの場合はこれを防ぐための「保定装置(リテーナー)」を矯正治療終了後に使用します。保定装置には取り外しのできるもの(可撤式)と歯に取り付けてしまうもの(固定式)があります。
歯が元々欠損している場合には保定装置に人工歯を取り付けて、見かけを良くする場合があります。その際には人工歯1本あたり3千円(税別)が加算されます。


5. 矯正歯科用アンカースクリューガイドライン

安全管理指針3
具体的事例
1.異物の誤飲・誤嚥事故: